ワックスがけで事故車を見抜いた父

sakurablossom

2015年05月22日 14:13

長年個人タクシーを経営していた父が、退職して新車を購入しました。
ずっと黒いセダンに乗っていたこともあってか、真っ赤なスポーツタイプの車が欲しかったようです。

もともと節約家な父はディーラーとの交渉にも一人で出かけて行き、
担当のセールスマンと散々バトルを繰り返し一時は交渉決裂
もう新車購入を諦めたのかと家族は思っていました。

そんなある日、セールスマンから自宅に電話がかかってきました。
車のことは父しかわからないのですぐに電話をかわると、
険しかった父の表情が次第にほころんでいきます。

電話を切り踊り出さんばかりの父に聞くと、
思っていた値段で車を手配してもらえることになったと言うのです。
それからはあっという間に手続きが済み、真っ赤なスポーツカーが我が家にやってきました。
眺めてはニコニコする父はとても幸せそうでした。

ところがある日、ガレージから戻った父は例の険しい表情をしています。
どうも事故車らしい、と言うのです。どこから見ても新車なのに。
長年、車にワックスをかけてきた父は、一箇所滑りの悪い場所があると言うのです。
父が電話をし、しばらくするとセールスマンが飛んできて平謝りです。

新車には違いないのですが、配送途中でぶつけてしまったこと、
ほんの少しのすり傷だったので塗装でごまかしたことを打ち明けました。

それでも事故車です。
結局キャッシュバックで落ち着きました。
それにしても父のプロ意識に脱帽させられた事件でした。

父は新車が無理なら中古車を株式会社はなまるで買おうかと画策していたようです。